無伴奏男声合唱曲集「じゆびれえしよん」より2．貧賤抄詩：山村暮鳥 曲：信長貴富 詩 こがらしこがらしひかりきらめくめいのちのめあみをはるのめこがらしのなかのめひとつめそのつぶらめにくたいのくりすますにこれがにくしみのおくりものだ。 ＊”くりすま…

無伴奏男声合唱曲集「じゆびれえしよん」より1．雪景詩：山村暮鳥 曲：信長貴富 詩 山はぷりずむ山山山山上さらにまた山雪のとんがりきららかに天をめがけ山と山とは相対して自らの光にくづれつ雪の山山きらりもゆる雪山山山のあひだに於て折れたる光線せん…

無伴奏男声合唱曲集「じゆびれえしよん」より4．光明頌栄詩：山村暮鳥 曲：信長貴富 詩 主は讃（ほ）むべきかな土からはひでた蛆虫（うじむし）のおどろき主は讃むべきかな土からはひでた蛆虫のよろこび主は讃むべきかな土からはひでた蛆虫のなみだそらのあ…

無伴奏男声合唱曲集「じゆびれえしよん」より7．じゆびれえしよん詩：山村暮鳥 曲：信長貴富 詩 泥醉せる聖なる大章魚そらに擴（ひろ）げた無智の足官能の高壓（こうあつ）的なからくりにマリヤ・マルタははんかちいふを取り出しなみだを絞る晝（ひる）の十…

無伴奏男声合唱曲集「じゆびれえしよん」より6．りんごよ詩：山村暮鳥 曲：信長貴富 本作品は『りんごよ』の詩に加えて『薄暮の祈り』という詩が部分的に使われているのでまずは両方の詩を取り上げる。 詩（りんごよ……） りんごよりんごよりんごよだが、ほん…

無伴奏男声合唱曲集「じゆびれえしよん」より5．独唱詩：山村暮鳥 曲：信長貴富 詩 かはたれのそらの眺望（ながめ）のわがこしかたのさみしさよ。 そのそらのわたり鳥、世をひろびろといづこともなし。 『独唱』について 『詩歌』第2巻第12号（大正元年12月…